青の肖像 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋 (2004年4月7日発売)
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「青の肖像」
W杯日本代表。選ばれし者の重圧、苦悩、そして栄光とは。


川口能活、中田英寿、柳沢敦ら02年W杯日本代表を担った選手達は何を思い、何処を目指して闘ったのか。迫真のインタビューに詰まった其々の想いは、とてつもなく重く、きっと当人達や彼らと同じ境遇にある選手、それを経験した選手以外にはなかなか理解出来ないかも知れません。しかし、だからこそ、私は応援し、客観的な立場でいたいです。


そんな彼らの中で、恐らく一番最後に知った選手は、森岡隆三選手です。私は、日韓W杯に挑む日本代表に森岡選手が招集されたとき初めて、清水にこんなDFがいるんだ、と思いました。しかし、私はそれ以前の森岡選手を知りません。そんな私にとって、森岡選手のインタビューは、とても興味深い。例えば、勉学に励み、桐蔭学園サッカー部に一般入試で入部したこと、サッカー部は次元が違うところで、当初は監督に相手にされず、合宿に参加しても、本当は特訓があるのに休みだと言われ、帰されたこと、そんな自分が許せなく、一人で毎日毎日ボールを追いかけたこと、なんか知りもしてませんでした。


そんな森岡選手の過去から分かることは、決して周りのせいにすること無く、現状を受け入れて、今自分が何をすべきか認識して、努力をし続けられる強さをプロになる前から持っていたことです。プロになる人にとって当たり前のことかも知れないけど、インタビューにところどころ出てくる自分が決して上手くない、だから練習する、というコメントを含めると、やっぱり凄いなと。


また、アルディレスがよく出てきます。後、中田選手が如何に頼られていたかも、他の選手のインタビューで登場します。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: スポーツ
感想投稿日 : 2012年12月29日
読了日 : 2012年12月29日
本棚登録日 : 2012年12月29日

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