長崎から上京した田舎の若者・世之介が東京の大学で過ごした一年間。
大学生って、こんな感じだったなぁー懐かしいなぁー感満載。また世之介がおっとりのんびりでクスッと笑えて面白い。お嬢様キャラの翔子も、1ターン切りの登場人物かと思いきや、これまた良い味。
妙な縁でサンバサークルに入ったり、お金持ち達に混じって浮き輪姿でクルージングしたり、男性愛者が集まる夜の公園でスイカを食べたり…
何でこうなった?と言いたくなる。
突如、数年後の未来。
世之介の周りの人々がふと彼を思い出す。
この回想が物語にグッと深みを加えている。
若い時の出会い・出来事が、確かに今の自分を形作っていると実感する。
そして、笑みと共に彼を思い出す…あの時、楽しかったなぁーと。
読後感は思いもよらず切ない。
「色んなことにYESって言ってるような人だった。もちろん、そのせいでいっぱい失敗するんだけど、それでもNOじゃなくてYESって言ってるような人…」
こんな人、好きにならずにいられるだろうか。
自分もこんな空気感をまとえるような人になりたいなぁ。
読書状況:いま読んでる
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- 感想投稿日 : 2020年3月15日
- 本棚登録日 : 2020年2月25日
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