安部公房の小説は、不条理とアイロニーと現実とのはざまでストーリーが揺れ動いて、話は面白いのだけど、大変難解な作品が多いとの印象を持っている。この作品はかなりわかりやすいと思うのだけど、それでも、全体を眺めると、大きなテーマが小さな世界に織り込まれていて、読み解くのは大変そうと思った。小説の舞台はスケールも小さく、舞台をみているようなドタバタ劇もあるんだけど、ストーリーを追うだけでは見えないものがいっぱいありそうな感じ。戦後の時期に隆興した現代文学の中でも、異彩を放っていると思う。
以前、未読主要作品のまとめ買いをしたので、時折挑戦したいと思う。
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- 感想投稿日 : 2023年8月4日
- 読了日 : 2023年8月2日
- 本棚登録日 : 2022年10月30日
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