これは雰囲気を感じるお話だなぁ。肉親との別れ。辛さ、迷い、そして願いや希望に向かってゆく過程の気持ち。きっと、読む年齢によっても感じ方がかわってくるのだろう。あたりまえのようで特別のようでもあり、言葉にするのが難しい淡い感動や
、美しい記憶の、やさしい文章が素敵だと思いました。
特に大きな出来事が起きるわけでなく。ありえない設定や展開の部分もあって、その辺りはファンタジーと捉えて受けとめられる。
台所から立ち込めるてくるその家独特の匂いや、ピカピカでなくても、散らかっていても年季の入った使い込まれた道具への愛着。自分が毎食ごと立っているキッチンを思い返してみる気持ちになった。どんな時も美味しい食事をすれば元気になれた。食べて生きていかなきゃいけない。
えり子さんの名言が刺さる。いやなことがめぐってくる率はかわらない。自分では決められない。だから他のことはきっぱりとめちゃくちゃ明るくしたほうがいい。明るく、楽しく。一歩先に進めそうなお話でした。他の作品も読んでみたいです。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年6月10日
- 読了日 : 2021年6月10日
- 本棚登録日 : 2021年6月10日
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