読了。流し読み。重厚なボルヘスを流し読みなので、当初から再読予定のつもりで。10回程度ならば、どうせ読めば読むほど面白いのだろうと、初めから最高の評価を与えているだけに、まずは、と。あまりにも素晴らしかった伝奇集に比べて、評価はやや落ちる気がする。理由は、ボルヘスの主題とも呼べる数少ないモチーフ、迷宮、鏡、回帰などが、形容的に現れる頻度が多く感じられたことによる。伝奇集の、時間をモチーフにした巨大な小説についての小説のなかで、時間という単語が一度も現れないことこそが時間をモチーフにしている何よりの証拠であるという台詞がある。迷宮について語るのに、まるで迷宮のようだと書くのは馬鹿馬鹿しい。ところで、全編を通してイスラム色が非常に強く感じられた。この印象は伝奇集にない。稚拙な感想だが、二人の王と二つの迷宮は、2ページの小説だが、衝撃的だった(劇的なものは、飽きやすい)、対比は整然としていた。改めて読むと眠気で看過していたものが多く見つかるだろう。ひとまず。
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- 感想投稿日 : 2018年3月7日
- 読了日 : 2017年9月30日
- 本棚登録日 : 2017年9月30日
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