新耳袋 第七夜 現代百物語 (角川文庫)

  • 角川書店 (2005年6月25日発売)
3.61
  • (22)
  • (14)
  • (45)
  • (2)
  • (2)
本棚登録 : 255
感想 : 11
2

新耳袋はドラマや映画は見たものの書籍は読んだことがなかったので読んでみることに。
七夜のサブタイトルの心地好い中二病感と京極夏彦の序文が雰囲気を盛り立てわくわくとする。
中身は箸にも棒にもかからないものから「自分に起こらなくてよかった」と思うようなものまでとにかく玉石混淆といった様子。しかしやはり木原浩勝と中山市郎という語り手の巧妙さが文に現れていてすっきりと読みやすく、それでいて忌まわしさが纏わりつく文章。特に中山市郎氏の関西弁の台詞の良さが怪談をより身近なものにしているように思う。
中には狐狸の類いを描いた幻想的でどこか牧歌的な遠野物語のような美しい話もあり(梅狐やお弁当狐など)個人的にはとても満足感が高く名作「さとり」なども収録されていて嬉しく思う反面、「ノブヒロさん」がどうにも好きになれず全体的に不完全燃焼と言った感じ。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 怪談
感想投稿日 : 2022年3月29日
本棚登録日 : 2022年3月29日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする