二度挫折して、三度目の正直で読み切りました。
150Pくらいの薄い本なのですが、体力使いました。
「難しい」とは何か?
「わからない」とは何か?
これらを考えさせられました。
世の中の事を大体わかった気でいましたが、全然そんなことはなかったですね。
この本は読んでいるうちに(100P超えたあたりから)癖になるところがあります。体力ある時にもう一度読み返したいと思います。
お二人(小林氏、岡氏)は文系と理系とで全く異なる世界で生きてきたのに、波長が合っている様子がうかがえます。とても不思議。
お二人の住んでいる世界感が同じだからなんだと思います。
反対に、私は「住む世界が違う」って、こういう事を言うんだなぁ、と感じました。
まず、二人の会話に登場する共通言語について行けないのです。
結構得意ジャンルと思っていた文学・美術の話が登場しますが、ついて行けない。
例えていうなら、富士山の麓から頂上にいる二人の会話を聞いている感じ。自分の文化教養度の低さを感じました。
例えば、文中にトルストイ・ドフトエスキー・ピカソ、と言った名だたる巨匠の作品が登場します。
彼らが創った作品がどんなものか、ざっくりとした知識はあります。
しかし、彼ら(小林氏、岡氏)のように時代背景や作者の思いまでくみ取り、作者がどんな状況下にいて、何を訴えたくてその作品を創ったのか。作者についてとことん調べ、作品と作者を紐づけたうえで一つの作品として見ているんです。そのうえで、「これは好き」「これは嫌い」と判断している。
物事を深堀りするっていうのはこういう事なんだな、と勉強になりました。
(私は作品単体としか見てないよ。。。「薄っぺらいな、自分」と思っていたけど、そういう事なんだと思う)
文学に至っては、実際に読んでいるか、も会話の肝となります。
”「白痴」のムイシキン公爵とか…”
普段、こんな話しますか?笑
この会話について行くためには、「白痴」を読んでムイシキン公爵がどんな人物なのか、ストーリーで彼はどういう役目なのか、本を読んでいることが必要なのです。
普段から何を見てどう感じているのか。
対象物が私とは全く違う。笑(住む世界が違うって、ここの違いだと思う)
「わからない」って純粋に思ったのですが、そりゃそうなのです。読んでいないのですから。
この本を読んで、久しぶりに「わからない」って感覚を抱きました。
同じ日本語を話しているのに、知識がない故に理解できない。共通言語について行けないって、こういう事を言いたいのです。
”わかるということはわからないなと思うことだと思いますね”(抜粋)
ものすごく考えさせられる言葉です。
こちらの書籍は「わからないな」だらけでした。。。
私も「わかる」に一歩近づけたということでしょうか。
- 感想投稿日 : 2023年12月21日
- 読了日 : 2023年12月21日
- 本棚登録日 : 2023年12月20日
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