幻獣ムベンベを追え (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2003年1月17日発売)
3.86
  • (73)
  • (184)
  • (105)
  • (9)
  • (1)
本棚登録 : 1066
感想 : 150

私は子供の頃から、未確認生物に目がなかった。
ネッシーはもちろん、屈斜路湖のクッシー、ヒバゴン……
川口浩探検隊シリーズは夢中になって見たし。

それを本気でやってしまう強者たちの物語が本書だ。
アフリカのコンゴの奥地にあるテレ湖に住むという謎の怪獣「ムベンベ」。子供の頃には夢中になったものの、大人になるにつれて、本当にいるのか??と、昔の熱い情熱は半ば諦めムードに支配されてゆく。しかし、早大探検部の彼らの熱意はハンパない。読んでいて気持ちがいいくらいだ。

本書の途中で著者が、ある矛盾に気づいてしまうところが、残念だけれどゾクゾクする場面でもあった。
テレ湖を熟知する村人たちに、ムベンベのことを聞けば聴くほど、適当なサービス心で怪獣のことを描写する彼らは、実はムベンベのことをよく知らないことに。最も詳しい者たちが知らないとはどういうことなのか?と疑念を抱く、この中盤が、私には本書の中で最も感銘を受けたシーンだ。

この旅の中では、ムベンベは見つからなかったが、夢はいつまでも続いたほうが楽しいに決まっている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション
感想投稿日 : 2017年9月8日
読了日 : 2017年9月8日
本棚登録日 : 2017年9月8日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする