私は子供の頃から、未確認生物に目がなかった。
ネッシーはもちろん、屈斜路湖のクッシー、ヒバゴン……
川口浩探検隊シリーズは夢中になって見たし。
それを本気でやってしまう強者たちの物語が本書だ。
アフリカのコンゴの奥地にあるテレ湖に住むという謎の怪獣「ムベンベ」。子供の頃には夢中になったものの、大人になるにつれて、本当にいるのか??と、昔の熱い情熱は半ば諦めムードに支配されてゆく。しかし、早大探検部の彼らの熱意はハンパない。読んでいて気持ちがいいくらいだ。
本書の途中で著者が、ある矛盾に気づいてしまうところが、残念だけれどゾクゾクする場面でもあった。
テレ湖を熟知する村人たちに、ムベンベのことを聞けば聴くほど、適当なサービス心で怪獣のことを描写する彼らは、実はムベンベのことをよく知らないことに。最も詳しい者たちが知らないとはどういうことなのか?と疑念を抱く、この中盤が、私には本書の中で最も感銘を受けたシーンだ。
この旅の中では、ムベンベは見つからなかったが、夢はいつまでも続いたほうが楽しいに決まっている。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2017年9月8日
- 読了日 : 2017年9月8日
- 本棚登録日 : 2017年9月8日
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