ザ・少女小説。
代作云々、下書きと清書云々、合作云々、
という成立事情は込み入っているので、ザックリと川端康成・中里恒子・挿絵の中原淳一の合同プロジェクトみたいな理解でよさそう。
カバーは中里恒子も連名にすればいいのにとは思う。
川端の飯のタネになったという点は、水木しげる、つげ義春、手塚治虫、トキワ荘の面々も初期に少女漫画を描いていたという事情と似ているのかもしれない。
要は多作な作家の氷山の一角でもあった、と。
で、思った以上に「マリア様がみてる」してた。
三千子と洋子だけでは理想的すぎて話にならないので克子という掻き回し役を出すとか、あるある~とついにやついてしまったよ。
エス文化と百合は違うとか厳密な考証はあって然るべきだが、まずは雰囲気を愉しめた。
この文脈の先に変奏として皆川博子「倒立する塔の殺人」もあるんだろう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
文学 日本 小説 /古典
- 感想投稿日 : 2023年1月31日
- 読了日 : 2023年1月31日
- 本棚登録日 : 2014年12月11日
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