「街道をゆく38 オホーツク街道」司馬遼太郎。初出1992年、朝日文芸文庫。
司馬遼太郎さんの、紀行エッセイというか紀行文学というか。北海道、オホーツク海に面した、網走・稚内・知床あたりから、樺太を思う…と言った内容。
これが激しくオモシロかった。感動すら覚えます。アイヌと樺太アイヌ、縄文文化と弥生文化。そして、考古学に情熱を捧げた人々…。
さらには樺太の日露に翻弄された歴史。絶滅寸前の樺太アイヌ語の風景。
日本人が単一民族、という考えの愚かさ。司馬さんはたれも批判せずに肺腑をえぐるように的確に地理とファクトから人と歴史を解剖してくれます。その分かりやすさが相も変わらず喝采ものです。
昔から司馬遼太郎作品には「育てられた」と言って良いんですが、四十路に至り「ひょっとして街道をゆくが最高傑作なのか?」と思わせられています…。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
電子書籍
- 感想投稿日 : 2022年12月10日
- 読了日 : 2022年11月12日
- 本棚登録日 : 2022年11月12日
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