サクラダリセット7 BOY, GIRL and the STORY of SAGRADA (角川スニーカー文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2012年3月31日発売)
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本棚登録 : 331
感想 : 33
4

ついに最終巻。今までのピースが全てハマっていくのは読んでいて気持ち良かった。全て必要な物語だったんだなと、改めて感じた。特に能力者が集まって対抗しようとする場面。それぞれの物語を知っているからこそ、この場面の良さが沁みる。
物語の締めとなる巻だから、抽象的な会話が多かったような気がする。どんなに考えても答えが出ないのに、延々と語り合っていて。その渦に自分もどんどん飲み込まれ、不思議な気分だった。結局、解決できているのかもよく分からない。でもシリーズが終わったことはすとんと飲み込めているかな。
一瞬、ケイは本当に我が儘で傲慢だと思った。自分でそう言っているけど、そこも込みで。「自分はこうしたい。これは僕の我が儘だけど。でもそうしたいから。」これで通っちゃうって、、自覚して、口にしている分、余計に我が儘で傲慢な気がした。坂上くんの言いたいことはとてもよく分かる。でもそこを気にしていると、この物語は読み進められないんだよな……
シリーズ全体の感想としては。いわゆる「セカイ系」と言われるジャンルは苦手なんだけど、シリーズ完走できたのは、それだけストーリーに魅力があったからなんだと思う。独特の臭さも徐々に気にならなくなった。たまにふと痒くなることもあるけど(笑)
あとシリーズの構成も良かった。過去が明らかになるタイミングや、それぞれの想いが明らかになるタイミングが、とても良かった。情報がスッと入ってくる感じ。そういう意味でも質の高い作品だと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 角川スニーカー文庫
感想投稿日 : 2017年8月20日
読了日 : 2017年8月20日
本棚登録日 : 2017年8月20日

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