全体的に作者の感覚に依る描写が多く、「新感覚派」と呼ばれる所以もうなずける。
「眠れる美女」
薬で眠らされて一糸まとわぬ女と添い寝をしながら、自分の娘や昔の女性関係を思い出す。
「片腕」
少女からひと晩だけ右腕を借りるという前衛的作品。自分の右腕とすげ替えて、はじめは感覚が遮断されているが、徐々に血が通い合う。少女の右腕と喋ったりもする。
「散りぬるを」
聴取書などの資料から、ほんのいたずら心から、過失によって少女が殺された事件を扱う。
昭和八年作で、他の二作より三十年ほど昔の作品。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2022年4月12日
- 読了日 : 2016年4月16日
- 本棚登録日 : 2022年4月1日
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