(借.千代田→新宿区立図書館)
淡路から北海道静内へ入植し、札幌で学びアイヌと共に牧場を作り上げ、アイヌのいる場所を作ろうとするが挫折した男の物語。著者の母方の祖母にあたる人がその伯父の伝記を書こうとしていろいろ調べるという設定。
主人公宗形三郎はけっきょくまっすぐすぎたのだろう。アイヌに対する人々や国の偏見・差別に結局は精神的に耐えられず(うつ状態?)直接は妻の産褥死をきっかけに自死してしまう。でもそういう生き方をした人がいたということを書き残さなければという姪の姿は、この長編小説を書いた著者に重なるのだろう。
ゴールデンカムイと近い時代(少し前)の設定だが、あちらはアイヌの習俗など詳しいとはいえエンタメ系なのでちょっと違うが、両方(あるいはさらに詳しくはこちらの巻末参考文献なども)時代の流れをある程度理解することができるのではないか。
できれば映画などで映像化してほしい作品である。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年10月22日
- 読了日 : 2023年10月21日
- 本棚登録日 : 2023年10月15日
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