731部隊の一冊。
細菌兵器は知っていたけれど、ここまで赤裸々、生々しく綴られた作品は初めて。
そして衝撃も爆弾級だった。
軍人であり医学者である曾根二郎の、細菌兵器考案、製造に至るまでの過程。
ここにも見え隠れする医学者として、国のためという口実はあまりにも逸脱し過ぎていて、嫌悪感を通り越し戦慄しかない。
次から次へと行われる人体実験、そして全てなかったことにする"後始末"は地獄絵図そのもの。
ただ命令に従う、ロボットのような人間のさまも心に焼き付く。
戦後、動じない曾根とこの実験の関係者の怯えの対比もまた恐ろしい。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年8月24日
- 読了日 : 2022年8月24日
- 本棚登録日 : 2022年8月24日
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