新装版 蚤と爆弾 (文春文庫) (文春文庫 よ 1-52)

著者 :
  • 文藝春秋 (2015年4月10日発売)
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本棚登録 : 242
感想 : 32
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731部隊の一冊。

細菌兵器は知っていたけれど、ここまで赤裸々、生々しく綴られた作品は初めて。

そして衝撃も爆弾級だった。

軍人であり医学者である曾根二郎の、細菌兵器考案、製造に至るまでの過程。

ここにも見え隠れする医学者として、国のためという口実はあまりにも逸脱し過ぎていて、嫌悪感を通り越し戦慄しかない。

次から次へと行われる人体実験、そして全てなかったことにする"後始末"は地獄絵図そのもの。

ただ命令に従う、ロボットのような人間のさまも心に焼き付く。

戦後、動じない曾根とこの実験の関係者の怯えの対比もまた恐ろしい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年8月24日
読了日 : 2022年8月24日
本棚登録日 : 2022年8月24日

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