第四の壁 アナザーフェイス 3 (文春文庫 24-3)

著者 :
  • 文藝春秋 (2011年12月6日発売)
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本棚登録 : 1514
感想 : 138
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全くもってつまらない、読み進めるのが苦痛な作品でした。
主人公・大友という人物に、魅力がなく、むしろ嫌悪感さえ覚えるほど。
「様々な顔を持つ男」ではなく、「自己を確立できていない男」としか見えません。
一作目では、ここまでひどい印象を受けなかったのですが。

なぜ、大友は比較的優秀だと見なされているのかが全く描かれておらず、また、捜査中の彼の言動からもそれを感じ取ることができません。
ただひたすら、彼に都合の良い方向に物事が進むだけ。

あくまでも謙虚な人柄を描いている(強調している)ようですが言動の端々に、大友の自己評価の高さが感じ取れ、その矛盾についても上手に整理できていません。
人物描写が中途半端なまま、ヒーローを作り上げても違和感が残るだけです。

また、作中で起きた殺人(未遂)事件も退屈かつ先が読めるもので、ひどく残念でした。
読み手が知りえることの出来ない、新しい事実が次々出てくるのは、個人的に非常に好まないものです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年10月12日
読了日 : 2022年10月12日
本棚登録日 : 2022年10月12日

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