“「……待てよ。本当に厳密なことを言うなら、お前が僕の影に封じられペアリングされる前から、つまり春休みの段階から、僕とお前ってセット化のみされているわけだよな。で、そもそもはお前から僕へのセット化のみだったわけだ。最初はお前が僕の主人で、僕がお前の従僕だったんだから。つまり、今、お前が僕から影響を受けているように、春休みは、僕はお前から影響を受けていた。じゃあひょっとして、僕のクールキャラが春休みから崩れたのって」
「ぎくっ」
「ぎくって言ったか、今!」
シリーズが続いたせいで、思わぬ事実が明らかになった。”[P.46]
君の影、探してまよう帰り道。
“「たったひとりの人間には世界を変えることは難しいが、世界を傾けるくらいなら、できなくはないのかもしれんのう」
「世界とは言わずとも、物語くらいなら、誰にだって傾けられるだろ」
「傾物語か」
「この場合、傾くのは僕達だけどな」
「この格好つけが」
「否定はしねーよ」
「かかか。お前様、そして傾くというのなら、どう傾く?」
「そうだな。まあとりあえず、目の前の女の子のために世界を傾けてみるか」
「世界と女の子を天秤にかけて、女の子を選ぶという奴か。今時じゃの」
「もう古いよ」
「かかか」
「世界も救って、女の子も救う。そんな強欲さこそが今時のヒーロー像だろ」
「じゃな」”[P.314]
読書状況:読み終わった
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本
- 感想投稿日 : 2013年9月3日
- 読了日 : 2013年9月3日
- 本棚登録日 : 2013年9月3日
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