ここまで麻薬犯罪物に真正面からぶつかって書き上げた著者に拍手。人種も国も関係ない人間が産んだ歪のあるシステムと動物の本能に振り回される悲哀をドラックとセックスとバイオレンスを通して描く。
様々な登場人物たちは、すれ違い、どこかで繋がっていく。登場人物たちがまさにぎりぎりのところで息継ぎをしながら、自らを、もしくは誰かを犠牲にしもがき続ける。
真実と虚構の混合比率の絶妙さと表現は過去形と現在形のミックスにより、読者は自然にこの世界に入り込み、登場人物たちの横であたかもその場面に直面しているような錯覚に陥り、読み出したら最後、一気に下巻へ突入する。こんな読み応えのある本に出合えたことに感謝。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2013年7月28日
- 読了日 : 2013年7月28日
- 本棚登録日 : 2013年7月28日
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