日本での修行に疑問を感じ、単身でフランスで修行することを選択した、若手料理人。
行った先のフランスで、6店舗での仕事を経験することになります。
その修行の様子と、修行を通じて感じたこと。
帰国後、日本でフランス料理店を開き、自らが料理人として、さらに後輩たちに教えながら、お店を運営・経営する立場となって考えていること。
フランス料理の料理人、経営者として長年、研鑽を積み実践してきた経験を、自ら綴った一冊です。
料理人としての成功を望む、多くの志願者(ライバル)。
その中で認められるには、決して「良い人」ではいられない、と繰り返し書かれているのが、印象に残りました。
自分が何をすべきかを考え、その考えに周囲が合わなければ、意見を言う、その結果、衝突する。
その衝突が無ければ、互いに何を考えているのかわからない。
衝突した上で、お互いに何をすべきかを引き出す。
しかし、ただ文句を言っていれば良いというわけでもない。
人を引き上げてくれるのは、人。
その判断基準になるのは、その人が普段、何をしているのかということ。
「事なかれ主義」の日本ではなく、フランスで修行を積んだ著者ならではの、経験に裏付けられた言葉の数々。
背筋をピンと、伸ばしてもらえた一冊でした。
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読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2017年8月7日
- 読了日 : 2017年8月7日
- 本棚登録日 : 2017年8月7日
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