21世紀も10年以上が過ぎ、「ひとつの会社に就職して、定年まで働く」という昭和的なキャリアというのが成り立たなくなってきた、と感じています。
では今後、どのようなキャリアが理想的なのか、もしくはニーズがあるのか。
そのヒントを得たく、関連する書籍を読んでいます。
この本は人気ブロガーとして活動した後に、努めていた会社を退職して、文筆を中心としたフリーランスで働いているという著者による一冊。
まず初めに、人生設計を考える上で、何がこれまでとは違っているのかが説明されています。
そして、新たなキャリアを模索している人達の事例を紹介した後に、著者が主張する「ふたつの人生を生きる」生き方を解説し、最後にそのためのキャリア設計のステップを紹介しています。
メインとなるのは、「40代後半で職業を選びなおす」という新しいキャリアの提唱なのですが、その背景の説明やキャリア形成における注意事項等も含め、気づきの多い一冊でした。
特に、「貯金=ストックから、稼ぐ力=フローの時代へのシフト」「必要生活費を管理することの重要さ」といったところは、これまでなんとなく意識していたこをきちっと整理してもらえたように、感じました。
特に安定した生活を送っている人にとっては、40代になったからといって「別の人生を探そう」というのは突飛な話に聞こえるのかもしれません。
しかし、自分が60代になった時の経済情勢や自らの生活を想像してみると、この本に書かれているキャリア設計というのは決して、特別な人のみが選択するものではないな、と感じました。
まずは自分の5年後10年後がどうなっているか、どうしたいかを、考えてみたいと思います。

2014年2月10日

読書状況 読み終わった [2014年2月10日]
カテゴリ 自己啓発

仕事がら、人や組織に新たな行動を取ってもらう、行動を変えるといった場面がしばしばあります。
その際、「何がこの人/人達の行動を突き動かしているのだろう」と考えて取り組まないと、上手く事が運ばないなと感じています。
この本はその、人間の行動原理「モチベーション」に関する本。
モチベーション1.0を生理的動因(食欲、安全等)、2.0を「アメとムチ」(報酬と罰)と定義し、これまでの2.0とい”OS”が機能しなくなってきている、という問題提起から論じています。
そしてモチベーション3.0という新しい時代に突入しているとして、「自律性」「マスタリー(熟達)」「目的」という三つの構成要素を上げています。
本書全体の構成としては、2.0の欠点と3.0の概念の説明にページの多くが割かれてます。
3.0の構成要素を満たすための新しい仕組みとしてどのようなことが考えられるのか、実例としてどのようなものがあるのかということについては、あまり触れられていないのが残念。
これから試行錯誤して作り上げられていくのだろうなと、理解しました。
逆に、そのような未来予測的な部分を排して、研究で得られた事実を冷静に説明しているというのが、著者の誠実さの表れかもしれません。
いずれにしても、働くということに関する人間の意識が変わっていること、それに対して新しい仕組みが必要だということが、本書を読んで理解できました。

2012年5月27日

読書状況 読み終わった [2012年5月27日]
カテゴリ 心理学
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