- Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062144490
作品紹介・あらすじ
時代遅れの成果主義型ver.2.0は創造性を破壊する。21世紀版『人を動かす』モチベーション3.0はワクワクする自発的な動機づけ。
感想・レビュー・書評
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「ハイコンセプト」に惹かれて、ダニエル・ピンク氏の著書を手に取ってみた。日々の仕事に嫌気がさしている。モチベーションが上がらない社会人必見の1冊。
・ある活動に対する外的な報酬として金銭が用いられる場合(モチベーション2.0)、被験者はその活動自体に本心からの興味を失う。if-then(交換条件つき)の報酬ともいうが、「これをしたら、あれをあげよう」は、自律性を奪う。お小遣いで釣って息子にゴミを出させる。するとほぼ確実に、その子はお小遣いなしではゴミを出さなくなる。最初の金額のもたらした興奮が冷めてきたら、相手を従わせるために、やがてその額を増やさざるを得なくなる。
ただし、これをnow that(思いがけない)報酬に変えれば、影響は少なくなる。「素晴らしい仕事をしたから、ご褒美にご飯でもご馳走しよう!」。あわせて、①具体的でない報酬、②有効な情報(褒め言葉)を与えるとモチベーションは下がりにくい。
・ルーチンワークなどのそれほどやりがいを感じられない仕事には管理が必要。非ルーチンワークのように興味を喚起する仕事は、自発性が頼りとなる。
・報酬には本来、焦点を狭める性質が備わっている。解決への道筋がはっきりしているルーチンワークには効果的。前方を見据え、全速力で走らせるために有効だ。一方、右脳的な仕事、柔軟な問題解決や創意工夫が要求される仕事に対しては条件付き報酬がむしろマイナスに影響するおそれがある。
・自己決定理論。人には生来、能力を発揮したいという『有能感』、自分でやりたいという『自律性』、人々と関連を持ちたいという『関係性』の3つの心理的欲求が備わっている。
・タイプI(intrinsic)とタイプX(extrinsic)。タイプIは外部からの欲求よりも内部からの欲求をエネルギーとする(モチベーション3.0)。タイプXは外部からの欲求によってエネルギーを得る(モチベーション2.0)。あなたに活力を与えるもの、朝起きてから1日頑張る活力の源は、あなたの内側から生じているか?それとも外部から強制されているか?
・タイプIにとって、主な動機づけは、活動における自主性、やりがい、目的。タイプXの行動は石炭(使い切り)、タイプIの行動は太陽(再生可能)だと言える。
・自律性を維持するには、「何をするのか(task)」「いつするのか(time)」「どのようにするのか(technique)」「誰とするのか(team)」かがカギ。特に「誰とするのか」は先に生まれた家族のようなもので、その組織に入る前に慎重に選ばなければならない。
・マスタリー(熟達)とは何か価値あることを上達させたいという欲求だ。
・mustとcan。従業員のmustとcanが一致しないと、職場で欲求不満が起こりやすい。課せられた業務が個人の能力を超えると不安が生まれる。逆に能力以下の業務を課せられれば退屈になる。
・マスタリーは「マインドセット」だ。目標には2つある。
達成目標:フランス語で優をとる
学習目標:フランス語を話せるようになる
得意だとは感じていなくても、学習目標があれば、生徒は粘り強く頑張れる。結局のところ、彼らの目標は学ぶことであり、頭が良いと証明することではない。
・マスタリーは「苦痛」だ。長期目標を達成するための「忍耐力」と「情熱」が必要。懸命な努力の重要性は理解されやすいが、目標を変えずにたゆまず時間をかけて努力を「継続」することの重要性はあまり認められていない。
・マスタリーは「漸近線」だ。目標には近づくことはできるが、達することはできない。それが欲求不満を引き起こし、到達しようとし続ける。喜びは、実現することではなく追求することにある。マスタリーはどうしても得られないからこそ、達人にとっては魅力的なのである。
・マスタリーへ近づく5ステップ
①意図的な訓練には、実力を挙げるという1つの目的しかない
週に1度、10年間テニスをしていても、毎回同じことしかしなければ、実力はあがらない
②とにかく反復
バスケットボールの名選手は、チーム練習後にシュート練習を10本しかしない?
③批判的なFBをもらう
「下手くその 上級者への 道のりは 己の下手さを 知りて一歩目」
④改善すべき点に厳しく焦点を合わせる
得意なことに何度取り組んでも上達しない。上達する人は、弱点に取り組む。
⑤訓練の過程の精神的、肉体的疲労を覚悟する
マスタリーは「苦痛」だ。
キーワード:自己Ctrlをするには、「有能感」「自律性」「関係性」を高める詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
何年か前から読もうと思ってたこの1冊、ようやく読み終えました。内容は、ここ数年感じていた「何のために働くのか?」というそれぞれの働く人たちのモチベーションが違うことについて腑に落ちる解説。自分がこのテーマを考えながら仕事を変えてきたのはそういうことだったか、と思いました。大きな発見だったなと思うのは、お金で釣ると自発的にやってくれていたことが止まってしまうこと。この逆効果は頭に入れておかないと、やり方を工夫しても「ただの徒労」に終わってしまう施策が出てきそうだなと思いました。
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組織にも、自分にも役に立つ「やる気」というモチベーションについて書かれています。動機付けの方法として機能してきたOS、生理的欲求や、前時代のアメとムチ(2.0)が、現代の人々の考えに合わなくなってしまっている。そのためOSを書き換える必要があり、その(3.0)の内容を書かれています。
人を管理する「マネジメント」の考えから脱却して、自律的に仕事をさせるには、また自分がそうするためには、どうすれば良いのか。
今の自分の働き方は、このままで良いのか、どこが良くて悪いのか。整理しながら読みました。 -
1.0 生存のための行動、生理的欲求
2.0 アメと鞭 外的動機付け、単純作業で短期的には効果がある
3.0 内発的動機 クリエイティブなヒューマニックな作業
2.0
「仕事とはしなくてはいけないからすることで、
遊びとはしなくていいのにすることである。」
交換条件つきの報酬は自律性を失わせる
アメとムチの致命的な7つの欠陥
1.内発的動機づけが失わせる。
2.かえって成果が上がらなくなる。
3.創造性を蝕む
4.好ましい言動への意欲を失わせる。
5.ごまかしや地価身を、倫理に反する行為を助長する。
6.依存性がある。
7.短絡的思考を助長する。
マネジメントはがたが来ているテクノロジーだ
中心となる管理体系は依然としてコントロールである。
主な手段は、あいかわらず外発的動機づけだ。
→「指針を与えなければ、人間はどこに行ってしまうかわからない」
→これが本当に人間の本質だろうか?
権限委譲はモチベーション2.1に過ぎない
フレックスタイム、ドレスアップも
柔軟性を持たせる→柵を広げ、時おり門開けているに過ぎない。
コントロールする姿勢には大差ない -
金銭などの報酬でモチベーションを高めるやり方は時代遅れの「モチベーション2.0」であり、自己実現などの内発的動機でモチベーションを高める「モチベーション3.0」の時代がやってきたとする本。自分の考えていることに近い部分があり、読んでいてテンションが上がった。第3部以降はいらねえだろうと思うけど、それまでは間違いなく面白かった。
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仕事がら、人や組織に新たな行動を取ってもらう、行動を変えるといった場面がしばしばあります。
その際、「何がこの人/人達の行動を突き動かしているのだろう」と考えて取り組まないと、上手く事が運ばないなと感じています。
この本はその、人間の行動原理「モチベーション」に関する本。
モチベーション1.0を生理的動因(食欲、安全等)、2.0を「アメとムチ」(報酬と罰)と定義し、これまでの2.0とい”OS”が機能しなくなってきている、という問題提起から論じています。
そしてモチベーション3.0という新しい時代に突入しているとして、「自律性」「マスタリー(熟達)」「目的」という三つの構成要素を上げています。
本書全体の構成としては、2.0の欠点と3.0の概念の説明にページの多くが割かれてます。
3.0の構成要素を満たすための新しい仕組みとしてどのようなことが考えられるのか、実例としてどのようなものがあるのかということについては、あまり触れられていないのが残念。
これから試行錯誤して作り上げられていくのだろうなと、理解しました。
逆に、そのような未来予測的な部分を排して、研究で得られた事実を冷静に説明しているというのが、著者の誠実さの表れかもしれません。
いずれにしても、働くということに関する人間の意識が変わっていること、それに対して新しい仕組みが必要だということが、本書を読んで理解できました。 -
人にすすめられたが読んで良かったと思える良書。
今時の人のモチベーションを説いた話。
アメとムチは過去の物ときりすて、
自律やマスターするといった動機付けこそが
新しい目的の持ちようと。
仕事ならやらされているのか自発的なのか。
そこに報酬も関係すると。
著者プロフィール
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