円卓 (文春文庫 に 22-1)

著者 :
  • 文藝春秋 (2013年10月10日発売)
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感想 : 448
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初めて本を読み終わって「おぉぉぉ」と声が出た。明け方5時に。
この想いをどこかにぶつけるべく、急遽ブクログ登録、これを書くに至る。我ながら変な発散の仕方。
西加奈子さんとの出会い(?)は、NHKでの椎名林檎様との対談番組から。あの椎名林檎様でしても「言葉の選びかた」「心の動きかた」を絶賛されていたので、どんな本を書かれるのだろうと古本屋に行き物色したのがコレ。

前半半分、声を出して笑う。視点がコロコロ変わるのもおもしろいし、急に物語の外からツッコミが入るのも良かった。
関西出身のため、どぎつい関西弁の文章にも苦なく読み進められる。逆に、関西の、特に大阪南部とかの、関西弁に馴染みのないかたには読みづらさ満載かもしれない。

「眼帯」から始まるこの本が様相を一変させるのは、中盤、朴くんの不整脈や在日韓国人の話題、幹さんの机のなか、という問題。
同年代より回転の速いアタマを持ってしまった子どもたちの会話では、もう笑いではなくちょっと冷や汗もの。

登場人物は、どの人も曲者ぞろいに見えるけど、でもすぐそばにいるような、何ならわたしも主人公みたいな思考も持っていたような。
昔の思考を振り返らされるくすぐったさと、大人になった自分がどれだけ成長したのか試されているようなドキドキ感を持たせてくれました。
最後は、すべての心のゆらぎをたった一言でぴしっと締めてくれるような、すっきりした終わりかたでした。
よかった!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年12月8日
読了日 : 2014年12月8日
本棚登録日 : 2014年12月8日

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