まともな家の子供はいない (ちくま文庫 つ 16-3)

著者 :
  • 筑摩書房 (2016年3月9日発売)
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本棚登録 : 375
感想 : 36
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私はもう主人公たちの親の年代ですが、中学生のセキコに感情移入しながら読み進めました。

すぐに仕事を辞めてくる父親、それを許す母親、要領の良い妹、イライラしているのは自分だけ……。
「心配しなくていいのよ」「情けない親だって思うわよ」とセキコの母親は耳触りの良い言葉だけを並べ立てるけれど何の解決にもなってないし、働きに出てもいない父親からいっぱしの父親ぶった上から目線の批判をされると反発もしたくなるというものです。
ちなみに、子供に親の性行為を見せるのは虐待にあたるんですよね。

表題作も、もう1つの『サバイブ』も、一見「まとも」に見える家庭でも様々な問題を抱えている……。
どちらもスッキリした結末ではなく、登場人物のある1人が言うとおり「まともな家庭なんてないもんなのか」と再認識するだけで読後感は決して良いとは言えません。
ですが、セキコの苛立ちを「反抗期w」などと笑い飛ばさず、彼女たち思春期の少年少女の気持ちと真正面から向き合う事は大切なんだろうな、と考えさせられました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2017年1月5日
読了日 : 2017年1月3日
本棚登録日 : 2017年1月3日

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