この本を読むまで、快楽主義と聞いて個人的に思いつくのは、辛いことから逃げて楽しいこと(快楽)に逃げる、ということであった。
ところが本書で著者は、快楽主義をもっとプラスな意味で捉えていた。自分の自分の求める理想、さらに楽しく生きることが出来る方向へ、覚悟を決めて進んでいく。そうやって自分で快楽を発見して掴んでいくことが本当の快楽主義者である、ということであった。
60年代の作品だということを忘れてしまうほど、しっくりと入ってきた。あとがきで浅羽通明氏は、今ではそこまで珍しい論ではないということも述べているが、個人的には感銘を受ける内容が多々あった。ただ、浅羽氏の言葉を受けて、時代が違うんだから、そこまで思いつめて著者の論を全て受け入れなくてもいい、と言われているような安堵感があったことは拭えない。
この作品を読んで、澁澤龍彦という人物に非常に興味が湧いたので、今後著書やムックを読んでみようと思った。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年12月14日
- 読了日 : 2017年12月14日
- 本棚登録日 : 2017年11月29日
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