織田信長が暗殺されたのち、その力を強大にしつつあった秀吉。北庄城落城とともに信長の妹である母お市が果て、茶々、初、小督の三姉妹は秀吉に身柄をゆだねられた。中でも末の小督は秀吉に命じられるまま大野城主佐治一成、秀吉の甥にして養子の秀勝、徳川家嫡男秀忠と三度の結婚をすることに。秀吉を憎みながらも「女子は嫁して子を生し、家を守るがつとめ」というお市の遺言を胸に、小督は戦の世を生き抜く覚悟を決める。
永井路子氏の「乱紋」とも井上靖氏の「淀どの日記」とも違う“小督(江)”。単独で見たら一番受け入れやすいキャラクター設定ではあるが、先の二冊を先に読んでいたせいか最初は違和感があった。
それでも土田御前や孝蔵主、義兄喜八郎などなど大勢の脇役たちも丁寧に描いている点や、独自の登場人物であるしのびのカワウソとタマムシを随所に配置するなどの独創的な面は一読の価値あり。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
諸田玲子
- 感想投稿日 : 2012年7月31日
- 読了日 : 2011年9月13日
- 本棚登録日 : 2012年3月16日
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