Iの悲劇

著者 :
  • 文藝春秋 (2019年9月26日発売)
3.58
  • (128)
  • (389)
  • (372)
  • (55)
  • (15)
本棚登録 : 2962
感想 : 393
4

六年前に無人になった村。
南はかま市蓑石に再生プロジェクトがもちあがり甦り課が創設されます。
メンバーは課長の西野、万願寺、観山遊香の三人です。

そして、開村式前に久野さんと安久津さんが移住するも火災が原因で安久津さんが夜逃げ同然に蓑石を去り、久野さんも出て行きます。
開村式後の五月、事業を興そうとして最初の一歩でつまずいた牧野さんも引き上げます。
七月には立石家の未就学児が迷子になり、久保寺さん宅の地下で動けなくなっているのが見つかります。久保寺さんはその子供の命を危険にさらしたことに責任を感じ、立石さんもにわかに蓑石の救急体制に不安を覚えてそれぞれ蓑石の生活をあきらめます。
そして十月、秋祭りの際に食中毒事件が発生し、キノコを提供した上谷さんと食中毒に遭った河崎さんは引っ越していきます。

というように、どんどん人が出て行ってしまいIターンの止まらない蓑石。
これは最後に何かある。何かないと収まらない。
一体何があるんだろうと思いました。
何もなければこの話がどうして、そんなに面白いのかわからなかったし。

やっぱりありました。最後に『Iの喜劇』が。
もの凄いどんでん返しという程ではなかったように感じられたので、星の数は一つ減らしました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2021年7月27日
読了日 : 2021年7月27日
本棚登録日 : 2021年7月21日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする