あしながおじさん (新潮文庫)

  • 新潮社 (2017年5月27日発売)
4.12
  • (112)
  • (89)
  • (50)
  • (8)
  • (5)
本棚登録 : 1461
感想 : 114
4

(オフ?)ブロードウェイミュージカル「Daddy Long Legs」の原作ということで、初めて読んでみた。
小学校の図書室にあったけど、「背の高いおじさんの話…?つまんなさそう」と思って読まなかったやつ。

孤児院育ちのヒロイン・ジルーシャが、
匿名希望の篤志家(「あしながおじさん」)から学資援助を受けることになる。
援助の条件として、
「定期的に彼宛に手紙を送ること」だけを提示されたジルーシャが、
大学在学中とその後数ヶ月、「おじさん」宛に
一方的に送った手紙、
という形式で物語が進む。


むちゃくちゃよかった。
笑えるし感情移入できるし、
ミステリー要素もロマンス要素もあって、
児童書らしい児童書。

ジルーシャが素直で、
(文才があるって認められてるだけあって)面白い。
大学生活を活き活きと楽しむ文章は、
もし小学生のときに読んでいたら
早く大学に行きたい、って思いそう。

ミュージカルは、
おじさんの独白も挟みつつ進行するみたいだけど
(サントラを聴いただけなので実際は不明)、
本では、ずーっとジルーシャのターン
(おじさんは基本的に返事は書かない、
たまに要件だけの電報が秘書づてに届く程度)
だから、
読み手はずっと、ジルーシャと一緒に
「おじさんはどんな人なんだろう」と
考えながら読み進める。

サントラ聴いてたからオチはなんとなく分かってたけど、
でも面白い。
最後泣きながら読んだ…

ミュージカルの歌詞とときどきリンクして面白いから、
興味ある人はぜひ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年1月2日
読了日 : 2018年1月2日
本棚登録日 : 2018年1月2日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする