南島譚 01 幸福

著者 :
  • 青空文庫 (1999年8月6日発売)
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パラオに伝わる昔話。村の長老から奴隷のようにこき使われていた男は、ある日長老と自分が逆転したかのような夢を見る。細部に亘りリアルな夢を見続けた彼は、現実でも生気を取り戻していく。一方長老もまた、自分と彼が入れ替わった夢を見ていた。夢の中での苦役に耐えかね、日々弱っていく長老。下男が見ている夢の話を聞くに及び、自分が夢の中でどんな辛い目に遭っているか訴える。しかし下男は、そんな辛さは疾うに知ってますが何か?という顔。そりゃそうだ。夢が幸せなほど現実が辛いというセオリーをひっくり返す衝撃。『うつし夜は夢、夜の夢こそまこと』というアレか。違うか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文学
感想投稿日 : 2013年8月6日
読了日 : -
本棚登録日 : 2013年8月6日

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