パラオに伝わる昔話。村の長老から奴隷のようにこき使われていた男は、ある日長老と自分が逆転したかのような夢を見る。細部に亘りリアルな夢を見続けた彼は、現実でも生気を取り戻していく。一方長老もまた、自分と彼が入れ替わった夢を見ていた。夢の中での苦役に耐えかね、日々弱っていく長老。下男が見ている夢の話を聞くに及び、自分が夢の中でどんな辛い目に遭っているか訴える。しかし下男は、そんな辛さは疾うに知ってますが何か?という顔。そりゃそうだ。夢が幸せなほど現実が辛いというセオリーをひっくり返す衝撃。『うつし夜は夢、夜の夢こそまこと』というアレか。違うか。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
文学
- 感想投稿日 : 2013年8月6日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2013年8月6日
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