「そう、ぼくは宇宙服を手に入れたんだ。」という回想の書き出しで始まる少年の物語。
宇宙に行くことに憧れる少年が、宇宙旅行にあたる懸賞に応募して入賞し、旅行は当たりませんでしたが中古の宇宙服を手に入れます。
この中古の宇宙服に「オスカー」と名付けるのですが、実際に機能するように修理している様子が何とも楽しそうです。でも、宇宙服をいじっているだけでは、宇宙に行くことも出来ず、大学に進学するために「オスカー」を売って学費にあてる決意をします。
しかし、充填済みのボンベや充電済みのバッテリーを試したいと思い、最後の散歩に宇宙服を着て小川を渡り牧草地に行きます。この時、誰しもがする妄想の脳内会話を「オスカー」とし始めるのが好きですね。そこで、無線機のテストをし始めたところ、謎の宇宙船から着陸誘導を求められ…
と、これ以上はネタバレになるので控えますが、表紙のイラストはよく描けていると思います。古風なSFですが、イラストを思い浮かべながら、楽しく読み終えることが出来ました。しかし、すぐ感情的になる小さな女の子が、要領の得ない語りをするのにイライラさせられましたけどね。
ところでこの小説、少年の父の言葉(P40)と少女の父の言葉(P399)が印象的でした。既にパパさん、将来パパさんになる人も参考になるかもね。あと、この本に限らず、若い人には名言集や自己啓発本もいいけど、物語の中で出会う珠玉の言葉に沢山出会って欲しいなと、あらためて思うのでした。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年1月29日
- 読了日 : 2024年1月29日
- 本棚登録日 : 2024年1月27日
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