日本は本当に戦争に備えるのですか?:虚構の「有事」と真のリスク

  • 大月書店 (2023年4月20日発売)
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感想 : 6
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 2023年1月19日に同志社大学大学院グローバルスタディーズ研究科が主催したオンライン・セミナー「いま、リアリズムとは何か――安保三文書を議論する」を書籍化したもの。2022年12月16日の安保三文書閣議決定(「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」)を受けての緊急的な内容だったが、なぜ・誰にとってこれらの文書が必要で、そこには何が書かれているのか・どんな視点が欠けているかがレビューされたことで、基本的な問題点は理解できた気がする。とくに三牧氏の指摘、「軍事に関しては専門知が独走/暴走しがちである」という問題提起は重要。
 2015年安保のときもそうだったが、こうした軍事化の政策転換が閣議決定レベルで「国策」化されて、それが追認されてしまうことには、現代日本国家・日本社会の異様さを感じざるを得ない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2023年11月19日
読了日 : 2023年11月13日
本棚登録日 : 2023年11月13日

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