ある晴れた夏の朝

著者 :
  • 偕成社 (2018年7月13日発売)
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アメリカが投下した原爆で亡くなった人の命は、殺されて当然だったのか?それとも、罪のない人たちの命だったのか?
アメリカの8人の学生が、肯定派、否定派に分かれて、ディベートを行う。
日系、中国系、ユダヤ系、アイルランド系など出自の異なる学生が「アメリカ」と言う国が下した決断を討論すると言うのは、とても新鮮だった。
本来は終戦の日に合わせて、読みたいと思っていた作品だったが、個人的な理由で今年は終戦の日をきちんと考えることが出来なかった。
少し遅れて読んだけど、この作品自体が児童文学になるのか?大人向けだけど、中学生ぐらいでも読めるようにしてあるのか?行間も広く、190ページぐらいなので、あっという間に読み終えてしまった。
日本人の作者さんが書いたものだけれど、視点をアメリカ人に変えることで、被ばくと言う現実を違う目線で読めたのは良かったかも。
ラストはアメリカにはない、日本人ならではの曖昧な表現に助けられる否定派だが、肯定派の学生の意見もしっかりしていて、嫌な感じは一切しなかった。
変に涙を誘う展開ではないのも、若い人たちに戦争と言う現実を伝えるのにちょうどいい気がする。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: その他
感想投稿日 : 2022年8月23日
読了日 : 2022年8月23日
本棚登録日 : 2022年6月25日

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