あらゆる箇所をむやみに繋げて考察するのは何だか見当違いな気がしてくるし、やっぱり村上春樹の作品は異質だなぁ。
物事を一つに、より簡潔に考えることが癖になってるけど、こういう作品を読むと文章の細部隅々までを味わいたくなる。
想像力の中で生まれる責任感について。
「僕はその輝く夜空の下で、再び激しい恐怖に襲われる。息苦しくなり、心臓の動悸が速まる。これほどすさまじい数の星に見おろされながら生きてきたというのに、僕は彼らの存在に今まで気づきもしなかった。ーーどこまで行っても僕はそんな無力さから逃げきることはできないのだ」
反対に、想像力を欠いた狭量さ、非寛容さ、無責任さについて。
大島さんはそういった連中を〈うつろな人間たち〉と呼ぶ。
そしてその両方にも属さない、想像力がすっぽり欠如していながらも、主義主張を持たないナカタさん。
これからの展開に期待が膨らむところだけど、小さな図書館のどこを探しても下巻が見当たらないので帰国するまでおあずけ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年1月28日
- 読了日 : 2024年1月28日
- 本棚登録日 : 2024年1月28日
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