レッド・ドラゴン〔新訳版〕 下 (ハヤカワ文庫 NV ハ 11-6)

  • 早川書房 (2015年11月6日発売)
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感想 : 25
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最近ドラマ版ハンニバルにハマりにハマりまくって、起きてる時間の9割はウィル・グレアムとハンニバル・レクター博士のことを考えている。ドラマ版ハンニバルと映画、原作小説の相違点および共通点を知りたく本書を読んだ。あ〜この人は原作とドラマで性別が違うんだーあ〜!あのシーンは原作のここに繋がってるんだーなどと思いながらの読むのは非常に興味深く、普段とは一味違う楽しさがあった。

この新訳版レッド・ドラゴンのウィル・グレアムは訳者のあとがきにもあったようにドラマ版の人物像に近い印象。しなやかなのに孤独で不安定で、神からのプレゼントといえるかもしれない共感覚や類い稀な知性すら本人にとっては苦痛に繋がるものでしかなくて…もうなんていうか博士じゃなくても庇護欲を掻き立てられる。ウィルの、かろうじてあちら側に堕ちないように踏みとどまっている様はとにかく魅力的。そして性的。みんながウィルに構う気持ちがすごくわかる。レクター博士はほんの数ページしか登場しないというのに強烈な存在感がある。それなのに、あぁこの人はウィルの唯一の理解者であり、破壊者であり、創造者にもなり得る人なのだ、ということが伝わってくるあたりがとても恐ろしく、しかしそんなところにとても興奮する。でもウィルには幸せになってもらいたい…幸せになってもらいたいんです…博士…博士お願いします…あああああ!!!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説/エッセイ
感想投稿日 : 2016年3月2日
読了日 : 2016年3月2日
本棚登録日 : 2016年3月2日

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