(あらすじ;引用)
晩餐後、科学者サー・クロード・エイモリ―は家のものを集め「この中に極秘文書を盗んだ者がいる」と叫んだ。部屋を暗くしている間に書類を返すことを彼は勧めたが、明かりがつくと殺されていた。彼から国家的大問題について相談したいと言われていたポアロは、真相を追うが……巧みな構成による、同名戯曲の小説版。
(登場人物)☆探偵、警察側●被害者 番号犯人候補
☆エルキュール・ポアロ…私立探偵
☆ヘイスティングズ大尉…ポアロの友人
●サー・クロード・エイモリ―…科学者
①リチャード・エイモリ―…クロードの息子
②ルシア・エイモリ―…リチャードの妻
③キャロライン・エイモリ―…クロードの妹
④バーバラ・エイモリ―…クロードの姪
⑤エドワード・レイナー…クロードの秘書
⑥トレッドウェル…執事
⑦ドクター・カレリ…エイモリ―家の客
ケネス・グレアム…医師
☆ジョンソン…警官
☆ジャップ…警部
感想
数多くの登場人物がいながらそれぞれに個性と役割を与える描写の構成力は流石クリスティーと感じた。
ただ、本質のミステリーとしての出来は個人的は40点くらい。
事件の状況的に犯人の候補が7人しかいないのと、序盤から挙動不審な人物が多すぎて逆に真犯人を絞りこめてしまった。⑥トレッドウェルは状況的に犯行ができない。
①リチャード、②ルシアは冒頭から怪しすぎ。③キャロライン、④バーバラはヘイスティングズとのイチャイチャに終始して犯人役としてはフェードアウト。
いきなりルシアの知り合いということでやってきた、謎の医者⑦ドクター・カレリも怪しすぎ!
消去法で意外な真実を提示するなら…と考えたら半ページ読み終えたところで犯人だけはわかってしまったのが残念。
しかし、最後の締めまできっちりやりきるのがクリスティー。犯人に罪を認めさせるまでのポアロの活躍にも物語が盛り上がる。
ミステリー要素には不満があるものの、物語としては十分に楽しむことができた。戯曲版もぜひ読んでみたい。
- 感想投稿日 : 2018年12月28日
- 読了日 : 2018年12月27日
- 本棚登録日 : 2018年12月23日
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