逆説の日本史12 近世暁光編(小学館文庫) (小学館文庫 い 1-21)

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  • 小学館 (2008年6月6日発売)
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司馬遼太郎の「封建社会では恨みは世襲する」というワード。
関ヶ原の後の処罰により、薩摩、長州、土佐が恨みをもち続け、力を蓄え続け、徳川幕府を滅ぼすに至る。でも、家康は薩摩らを潰すまではできなかったわけで。自分ができなかったことをその先の世代に託したのもしれないが、それも忘れ勝者はおごり、260年かけて弱くなっていくのが切ない。
しかし、潜在的な脅威である天皇家の封印は見事。家康は脅威も対策も全部わかっていたのかもしれない。井沢元彦は徳川家康を「危機管理の天才」と呼ぶ。吾妻鏡を読み、鎌倉幕府の滅び方から学ぶ天才。血縁のスペアを作り、武家諸法度で大名を縛り、朱子学で下剋上思想を潰す。
だが、朱子学が天皇崇拝を導いてしまう歴史のおもしろさ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2024年1月28日
読了日 : 2024年1月28日
本棚登録日 : 2024年1月28日

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