時は元禄初頭、将軍・徳川綱吉の治世下において、和歌や書状の代筆を請け負うことになった少女の物語。
下総の真間村を出て、失踪した相愛の幼馴染み・颯太を追い、江戸へ出てきた娘・おいち。
本郷で歌占を営む元武士の戸田露寒軒の許で、代筆を任されることになった彼女は、紙問屋や筆屋など、出逢う人々の胸の内に分け入り、相手との間を取り持つべく、その心を伝える文を書くようになる。
主人公の造形が無謀で幼いきらいはあるのだが、連作短編集の第一巻とあって、人物紹介に頁を割かれたことは薄々察せられる。
若い娘がヒロインの時代小説は人気ジャンルと窺えて、その一端を担う作品としては、出来はまずまずかと思われる。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説(歴史物・時代物)
- 感想投稿日 : 2023年10月6日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2023年10月6日
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