この本は、21編からなるサキ(1870-1916)というイギリス人の作家が書いた短編集でした。
内容は、変な人が過ごす日常の中で起こった小さな変事を、皮肉のこもったユーモアとウィットで書き下したような内容でした。
題材を遠目から冷めた眼で見ながら、退屈そうに表現した文だと感じました。
小節の舞台は、たいていにおいて、小ささを感じさせるもので、そこでやはり少し変な日常的な設定を題材に、著者の思うがまま、
設定を十分に説明されないまま、まとまりと脈絡がない文章がつらつらと展開され、
読んでいる間は、疑問を感じながら、気付きや感動のない、退屈な時間を過ごしていました。
イギリスでは、サキは短編の名手として知られているようです。
この内容がイギリスで受けているとすれば、イギリス人とは、どのような考えて毎日を過ごしているのだろうと疑っています。
ただし、英訳の文章によって、原本のニュアンスを正しく伝えることは大変に難しいはずであるため、
本来は、英文で、かつイギリスの風潮をわきまえた上で読むものなのかもしれません。
とりあえず、名作に眼を通せたのは、良かったと思っています。
【推薦人より】
少しだけ毒のある、イギリス版星新一のような短編集。
良質なブラック・ユーモアにあふれ、オチも秀逸なのになぜか日本ではマイナーなため、今回紹介させていただきました。
難をあげるとしたら日本語訳がまわりくどくて今一つなこと。
それでも代表作とされる「話上手」「二十日鼠」などはやっぱり面白いです。 個人的にはネコ好きなのでしゃべるネコを題材にした「トバモリー」がお気に入り。
(あや)
- 感想投稿日 : 2014年5月11日
- 読了日 : 2014年5月11日
- 本棚登録日 : 2014年4月25日
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