久々に米澤穂信の古い本へ行ってみる。
夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」をめぐる邪悪な5つの事件。
と裏表紙に書いてあるけど、「バベルの会」が舞台になっているわけではなく、登場するお嬢様たちがそれに属しているというくらいの緩いつながり。
とは言え、読書サークルに相応しく、解説に言う『読者サイドに一定の読書教養を求める』話が連なる。
耽美に綴られ薄気味悪いお話は、知らなくても十分楽しめるのだけれど、4話目においては、マーヴィン・バンターやイズレイル・ガウを読んでいて(ジーヴスだけは読んでた)、加えて孔子・荘子にポーをはじめとする様々な作家のことも分かっていれば、尚更に作者の思いにつながることが出来たのだろう。表題作の“アミルスタン羊”についても同じこと。
本の紹介には『「ラスト一行の衝撃」に徹底的にこだわった連作集』ともあったけど、その一行を読んでは、衝撃というより寧ろ『そんなんで人を殺すか…』という唖然茫然が勝った感じ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
2021年読んだ本
- 感想投稿日 : 2021年6月26日
- 読了日 : 2021年6月23日
- 本棚登録日 : 2021年6月26日
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