- 本 ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101287829
感想・レビュー・書評
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Audibleにて。
上品で知的な名家のお嬢様と使用人、古典のような雰囲気も大好きな世界観。
冷静で上品な口調だからより怖さを感じる。
登場人物が魅力的で短編なのに物語にのめり込んでしまう。
最後の1行で驚き、その後の登場人物を想像する余韻までもが楽しかった。
最近読んだスタンリイ・エリンの『特別料理』が作中に出てきてニンマリ。
スタンリイ・エリンの余韻が残るジワジワくる面白さも似ていた。
中でも特に好きな作品2つ。
『山荘秘聞』
狂気を感じて怖いんだけど、どんだけ!?と笑ってしまう。次第にイキイキしてきた守子が面白い。
守子オススメの紅茶にジャムを入れて飲んでみようっと。
『玉野五十鈴の誉れ』
伏線に全然気が付かなくて「うっわっ!」と思わず声が出てしまった。
こんなブラックな作品も書かれていたなんて意外だった。
米澤さんは作品の幅がすごく広いので、今まであまり合わない作品もあったけど、今回はまさに大好きなど真ん中ミステリーで面白かった! -
ブラック&ホラー&ミステリーの短編5編
それぞれの共通点は「バベルの会」と使用人
独特の世界観に引き込まれます。
■身内に不幸がありまして
これは面白かった。
名家の令嬢のメイドの告白から始まります。令嬢の屋敷で起きた惨劇。そして翌年もその翌年も同様に..
何が起きているのか?
そして、最後の一行。うーん、そう来たか
■北の館の罪人
ありがちの異母兄弟の物語。
北の館の住人から頼まれる買い物。
その目的は?
■山荘秘聞
これは、怖い。
山奥の別荘の管理を任された女の狂気の物語。
■玉野五十鈴の誉れ
これは面白かった。
名家ならではの狂気の世界。そして、そこに仕えていた玉野五十鈴。
ラスト一行が効いています!
■儚い羊たちの晩餐
日記形式で語られる料理の狂気の世界。狂気の料理人。
アミルスタン羊とは
うーん、ブラック。
ということで、ダークなブラックな世界が味わえる物語ばかり。
そういうの好きな人にお勧め。 -
暗黒ミステリ...個人的には救済措置が多過ぎて暗黒と言うより曇り空。不満は無く、読者に解釈を委ねる文体は好きだ。あぁでもないこうでもないと脳内はカーニバル。楽しい。
優美さを感じる語り口
美しさを纏った「死」の前兆
あくまで正常ベースな狂人
夢想家の集まる読書サークル「バベルの会」の華やかでしかし何処か切なさを伴うこの存在感に、決して穏やかではない作品を手にしているはずなのに気分は文系女子だ。錯覚です。
どちらかと言うと作品の中身よりも、残ったであろう人物達のその後のムフフ... で欲求を満たしていた。
陽の当たる部屋にてお紅茶を片手に膝の上に長毛のお猫様を乗せその頭を撫でながら優雅に読んでいただきたいそんな一冊です。 -
苦手な短編集だった…と思いきや、
「バベルの会」という意味深な会合で繫がる
戦前の上流階級の話
使用人という、雇い主に抗えない忠誠を世界観に毎回ラストはおおっと驚かされます
ラストの「儚い羊たちの晩餐」はよく回収できてて感心
「わたし、料理は好きですが、厨娘にはなりたくありません」
誰のための料理なのか?誰を祝福するために料理するのか?
誰が悪いわけでもない、ネジ曲がった世界観が恐ろしく
そして惹かれました
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読書サークル・バベルの会に所属するお嬢様たちの短編集。
大満足だった満願に続き連読。
ずっとに楽しみに積読していた作品。
感想はズバリ、悲しい、悔しい。
この二言に尽きた。
アミルスタン羊やら、イズレイル・ガウやら、引用されているワードや参考文献、文学知識がない私の読書レベルでは理解到達はもとより、まったく感情が揺さぶられなかった。
唯一、著者特有の文体によってシュールでノスタルジックな世界観が味わえたことだけが救いであった。 -
5つの短編集。
どの作品も最後に切れ味のある結末が待ち構えています。
「山荘秘聞」「玉野五十鈴の誉れ」が個人的に好きでした。
「山荘秘聞」
途中から結末は予想できました。だからこそ、丁寧な言葉を使い、もてなす主人公の違和感が際立っていました。
「玉野五十鈴の誉れ」
ラスト一行の伏線回収と読者に与えるインパクトが抜群でした。 -
以前、可燃物を読んで、次はこの著者の長編を読もうと思って、購入したのですが、こちらも短編集でした(笑)完全に私の不覚です。ミステリー短編は苦手なんですよね。
個人的には可燃物の方が好みでした。本書はそれぞれのストーリーに余白が多く、細部は想像で補うタイプのミステリーです。私の教養不足もあり、補いきれせんでした。
それでもやっぱり、この著者のミステリーはどこか惹かれるところがあります。うまく表現できませんが、綺麗で理路整然としている感じがします。 -
米澤穂信さん著『儚い羊たちの祝宴』の感想になります。
本作は5編で構成された短編集ですが、共通するのが「使用人」が登場すること。
5編それぞれに登場する使用人は時に主に惚れ、時に主を恨み、時に主を悩ませるといった様々な物語が綴られています。本書の帯には大きく「大どんでん返し」とありますが、少しゾワッとする短編が多いのでご注意を。個人的に『山荘秘聞』の1編がミステリらしさとホラーが程良いバランスで好みでしたね。 -
結末で覆されるとわかっていても、まんまと騙される。そして真実はどれも意外性とゾクゾクをはらんでいて、その暗黒さに良い意味でやられた。
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このダークな雰囲気がものすごく好み。
「満願」も好きだけどこちらの作品も良い◎
ちょっとだけ「暗黒女子」を彷彿とさせる。
もっとダークな短編小説だしてくださーい!!
この話、だれかハッピーになった人いました?
山小屋の人はある意味ハッピーか?
どの人もみなさん心に穴が開いている印象…
著者プロフィール
米澤穂信の作品






ゆのまるさん、いつもありがとうございますヽ(=´▽`=)ノ
あの1行はゾゾッとしましたね〜( Д ) ゚ ゚
なかなかの...
ゆのまるさん、いつもありがとうございますヽ(=´▽`=)ノ
あの1行はゾゾッとしましたね〜( Д ) ゚ ゚
なかなかのダメージありますよね。
私も忘れられない短編集になりました(^^)
土瓶さんも玉野五十鈴ですね!
米澤さんもたくさん読まれてて、土瓶さんの本棚には読みたい作品がたくさん揃ってるのでいつも参考にさせ...
土瓶さんも玉野五十鈴ですね!
米澤さんもたくさん読まれてて、土瓶さんの本棚には読みたい作品がたくさん揃ってるのでいつも参考にさせていただいてます^_^