オーストラリアが中国共産党に侵食されている様子を克明に記載した本。オーストラリアのオープンな民主主義体制に、資金力と人の数の多さでつけ込み、国全体を「親中派」にしようとしていることが書かれています。
そもそも、レーニン式社会主義がいまだに跋扈している中国において、人々が豊かになるにはコネを使うしかなく、他国に行ってもその態度を改めない(多分改めなければいけないことすら自覚できていない)ので、オーストラリアでも政治献金などを通じて、コネの形成を行う。その裏側で中国領事館が中国共産党に批判的な動きを在オーストラリアの中国人を利用して行う。一方のオーストラリア人は①排外主義者だと思われることを恐れ、②特に大学関係者は中国人留学生がいなくなることによる経済的な損失を恐れて中国に都合の悪い事項の自己検閲を行う。という状況が数々の事例をもとに紹介されています。
中国共産党のやり方は狡猾としか言いようがなく、また彼らは時間をかけることを厭わず、かつ資金力が豊富であり、そのくびきから逃れるには多くの時間と経済的な損失があるだろうと思われました。
しかし、自由と民主主義を大切に思うのであれば、避けて通れないのではないかと考えます。
翻って日本はどうなのか?改めて考えさせられました。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
政治
- 感想投稿日 : 2020年8月30日
- 読了日 : 2020年8月30日
- 本棚登録日 : 2020年8月30日
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