この世にたやすい仕事はない

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2015年10月1日発売)
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本棚登録 : 1981
感想 : 288
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ものすごくおもしろかったし、ものすごくよかった。津村さん、ほんとうにはずれがない! 大好きだ。
好きな仕事だったのにいろいろ疲れ果てて辞めたらしい主人公が、紹介してもらうちょっと変わった仕事を次々と体験する話。紹介される仕事がちょっと変わっていてファンタジーめいているのだけれど、嘘っぽくなくて、いやいや現実にありそうだ!と思えるところ、いやいややってみたいかも!と思えるところがすばらしい。(わたしがとても心惹かれたのは、おせんべいの袋の裏のひとことうんちくみたいなのを書く仕事。わたしは甘党なんだけどおせんべいが食べたくなった。わたしは甘党だからわたしがやるならクッキーの袋とかがいい(どうでもいい))。

恋愛はないし、深い友情で結ばれるとか、つながりとかもないんだけど、職場やひととき顔を合わせるだけで一見表面的な出会いでも、なにかちょっと温かい交流があったり、理解があったり、というのが素敵。こういうのが津村さんの特徴にも思える。主人公が、臆病と思えるくらい人々をすごく観察している、っていうのもなんか共感できて。

ごく普通に書かれているのに、なんだかものすごくおかしくて吹き出しそうになることもあって。津村さんのユーモアの深さみたいなのを感じる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年10月19日
読了日 : 2015年10月18日
本棚登録日 : 2015年10月19日

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