ツリーハウス

著者 :
  • 文藝春秋 (2013年4月10日発売)
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本棚登録 : 147
感想 : 9
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おもしろかったし、すごく読みごたえもあった。基本的にこういう大河小説的な長い話がわたしは好きだー。

良嗣の祖父は、戦争がいやで死にたくなくて中国に逃げ、終戦後、結局日本に戻ってきた、そんなせいで、良嗣の家族には根っこがなく、みんが逃げてばかりで無気力なのか?、と良嗣は考えたりするのだけれど、でも、国に言われるがままにみんなと同じに戦争に行くよりいいのでは?とわたしなんかは思ってしまうのはけれど……。
これがやりたいってこともなく、流されるまま、逃げてばかりで、無気力で、っていうのは、なんか、わかる、共感できる、というか……。情熱や信念をもってなにかをやるよりも、なんとなく流されて生きてるって人が一般的には多いんじゃないかなあ、と。
でも、人生ってそんなものなのではないか、それでもいいんじゃないか、とこの小説のラストで言われたような気もする……。

さらに個人的には、ひきこもり気味の叔父太二郎が、なにも持ってない、だれも待ってない、しくじり人生、とかいうことを言ったのに、わたしもまったくそうだわーと胸痛く共感していました……。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年7月30日
読了日 : 2014年7月30日
本棚登録日 : 2014年7月30日

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