復讐はお好き? (文春文庫 ハ 24-2)

  • 文藝春秋 (2007年6月8日発売)
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本棚登録 : 353
感想 : 45
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まるでハリウッド映画をみているようなスピード感。エンディングもすっきりした爽快な物語で、楽しく読み終わりました。乱読しているとしっくりしない本、もっとはっきり言えばつまらない本にもぶつかります。それでも、この本のような面白い本に出会うことができるので、やはり本を読むのはやめられません。

ストーリーは実にシンプル。夫に殺されかけたものの奇跡的に助かった妻が、仕返しをして懲らしめる……一言で言えばそんな感じです。ただ、そこで登場する人物たちが実にキャラが立っていて、目が離せないのです。特に夫・チャズのダメ男ぶりが際立っていますが、チャズの用心棒・トゥールが徐々に成長(?)していく様子も魅力的。読了後は、「ああ、面白かった」と映画館を後にするときのような満足感につつまれました。ミステリーというよりも、コミカルなサスペンスというべきなのかな。

この本を手に取ったきっかけは、著者・カール・ハイアセンの新刊「これ誘拐だよね?」が書店で平積みになっているのが目にとまったこと。そこで、同氏の著作3冊を見比べて、まずは「復讐~」を読んだ次第。正解でした。ただ、それでは次に「これ~」を読むかと言えば微妙なところ。ぱらぱらとめくった限り、登場人物の使う言葉の古さが引っかかったためです。当面は、次に進む前に「復讐」を「復習」しておこうかと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2014年1月31日
読了日 : 2014年1月31日
本棚登録日 : 2014年1月31日

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