海賊とよばれた男(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2014年7月15日発売)
4.19
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本棚登録 : 11718
感想 : 710
3

(上下巻合わせてのレビューです。)

数年前、本屋大賞に選ばれて、ドラマにもなり、話題になった本。
機会があってようやく読めました。
上下巻あって、結構なボリュームかつ壮大な物語。

ガソリンスタンドでよく見る出光の出光興産を創業した
出光佐三氏をモデルとした物語。
戦前に創業し、海外展開していたものの、
敗戦により海外資産をすべて失い、
またゼロから組織を発展させた出光氏の壮大な物語は、圧巻の一言。
特に出光氏の価値観・哲学にブレがなく、読んでいて気持ちが良い。

上巻は、GHQに戦犯扱いされてしまった主人公の戦いが、
後半はイランからの石油輸入劇がクライマックスか。
上巻は期待していたほどでもなかったかな…と思っていましたが、
下巻に行くに従って、物語が壮大になっていって段々面白くなってきました。

ただ、テーマが石油なんですよね。
気候変動の面から、これからはどんどん戦犯扱いされていきそうな石油。
そういう意味では、段々読まれなくなっていく本なのかな、とちょっと寂しさも感じた本でした。

あと、イランの歴史をあんまり知らなかったのですが、
(この本に書かれたことが真実であれば)
今のアメリカと敵対しているイランを作り上げたのって、
アメリカの自業自得のような気がしました。。
改めて、正義の難しさを感じました。
(それぞれの国に正義がある。)

個人的には、「永遠の0」の方が好みですが、
こちらも著者の対策であることは間違いないですね。

※永遠の0
https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/406276413X

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年6月19日
読了日 : 2021年6月15日
本棚登録日 : 2021年6月9日

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