女ざかり (文春文庫 ま 2-12)

著者 :
  • 文藝春秋 (1996年4月10日発売)
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本棚登録 : 311
感想 : 33
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おもしろい小説だった。物語の構成、ユーモア溢れる登場人物、どれも抜群におもしろい。一気に読めてしまう。そして旧仮名使いの文体が読んでいて心地いい。

女主人子の南弓子は大新聞の論説委員。彼女が書いたコラムがきっかけで政府から圧力がかかる。そのせいで弓子は新聞社を追われそうになる。そこで弓子は恋人の大学教授や友人、家族の協力を得て反撃に出る。

物語の根底には、「贈与」という日本の慣習を通して日本の奥底に潜む古代=原始的なものを探ろうというのがテーマにある。
でもそんな小難しい理屈を抜きにしてこの作品は楽しんだほうがいい。それぐらい小説のおもしろさや物語の力を再認識させてくれる作品。お薦め。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2012年8月10日
本棚登録日 : 2010年8月20日

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