さよなら、そしてこんにちは

著者 :
  • 光文社 (2007年10月20日発売)
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本棚登録 : 452
感想 : 89
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図書館より。
どこかにありそうな普通の人たちの日常を切り取った短編集。

それぞれの短編で描かれる人々は葬儀社の人や、すし職人、普通の主婦もいれば住職などと非常に多種多様。なのにどの作品もなんだか実際にありそうで、どの作品もユーモアや温かさを感じさせてくれました。

特に好きなのは「ビューティフルライフ」
農業を営むため田舎に引っ越してきた家族の話です。家族のとぼけた感じがいいのですが、それだけでなく家族の温かさも感じられるほのぼのとした作品です。

「美獣戦隊ナイトレンジャー」は特撮ヒーローの俳優にハマる主婦が主人公。
主婦の心情や日常がリアル、それだけでなくスカッともさせてくれる作品です。

「長福寺のメリークリスマス」は小さなお寺の住職が主人公。立場上クリスマスを祝えない主人公が家族のためにどうクリスマスを祝うのか? これもユーモアと温かさのある作品です。

どの作品も荻原さんの職人技を感じさせられる短編集でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文芸・文学・群像劇
感想投稿日 : 2012年11月2日
読了日 : 2012年10月31日
本棚登録日 : 2012年10月27日

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