カリフォルニアの炎 (角川文庫 ウ 16-3)

  • KADOKAWA (2001年9月21日発売)
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本棚登録 : 176
感想 : 16
5

何度でも言おう、ウィンズロウ&東江はイイ!

KGB、移民、マフィア、保険金詐欺、殺人、犯罪集団の掟と結束、残忍な手口とくればもうノワール小説の典型であるにもかかわらず、暗さや冷たさを感じない(そっちも好きだけど)。

主人公ジャックや恋人レティはもちろん、悪役として登場しているニックやその取り巻きにも、どこかに人間味を感じてしまい、登場人物を憎むことができない。
作者と訳者の最強タッグのなせる業だ(こんちくしょう!)。

ジャックは愛するサーフィンの上で揺られながら、愛するカリフォルニアの陸と空と海を眺める(とある理由から、ジャックにはそれしか残っていなかった)。
陸に一筋の煙が立つと、おんぼろマスタングにサーフボードを載せて現場へ向かう。
火災に関する知識とロジック、科学的解明手法など授業で聞いたらとっくに居眠りしている話題も、いつのまにか耳を傾けている。

文字通り「大精算の日」(ネタバレ関連事項)まで、ジャックは身も心もほんとに忙しい。
忙しいほど、私はさらに楽しんでしまった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外ミステリー小説
感想投稿日 : 2022年7月11日
読了日 : 2022年7月10日
本棚登録日 : 2020年2月27日

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