ミステリーと言えるだろうが、青春犯罪小説と言いたい。
恋愛小説より美しい書き方はしていないが、十代の恋する少年の心理がこまやかに書いてある。
初恋の狂おしさと喜び、失った怒りと虚しさが鮮烈。
童貞であることを恥ずかしく思ったり、好きな女の子のピンチを救って惚れさせようとか、将来結婚する未来を妄想したりと、初恋に狂う少年の心理は日米共通だ。
主人公のささやかな悪意がきっかけになって、クラスメートたちを三十年後も苦しめていると思いこんでいるのだが、その真相は明らかにならない。
ケリーが植物状態で生きているとわかって、いっそうクラスメートたちの人生の重苦しさがのしかかってきたような気がした。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
欧米ミステリー
- 感想投稿日 : 2013年4月17日
- 読了日 : 2013年4月17日
- 本棚登録日 : 2013年4月9日
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