透明カメレオン

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店 (2015年1月30日発売)
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本棚登録 : 1655
感想 : 267
3

今夜も僕は、世界をつくる。少しの嘘と、願を込めて。

ラジオのパーソナリティの桐畑恭太郎。
冴えない容姿と特殊な声の持ち主。
美しい声に容姿が伴わない事に劣等感を抱いている。
恭太郎は、ある雨の日にいきつけのバー『if』で不審な音を耳し、
びしょ濡れの美女が店に迷い込んで来た。
ひょんな事から彼女の企てた殺害計画に参加する事になる
恭太郎と常連のお客様達だが…。


最初は、何故恵をからかって騙した位の事で
皆が理由も聞かず言われるままに従ってるんだろう…。
途中、恵の話を聞き殺害計画と知っても協力するんだろう…。
そもそも、恵に良い感情を抱けなかったからか、
恵の話自体が何だか怪しいのに…。
恭太郎の軽はずみな行動や言動も嫌だった。
軽いし、何だかコメディみたい
なんて感じのもどかしさを抱えながら読んでいました。
なかなか読み進まなかった。

ラストには、とても驚かされました。
すべて伏線だったのですね。
陽気そうに見えた『if』のママや常連客達の抱えてたもの
大量のエナメルが巻かれた赤鉛筆の訳
透明カメレオンの意味
その理由を知らされた時、泣かされました。
切なくなりました。

存在しないものでも、信じれはそこに存在するんだね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2016年2月27日
読了日 : 2015年3月22日
本棚登録日 : 2016年2月27日

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