壁 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1969年5月20日発売)
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感想 : 551
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この本は、三部で構成されていた。第一部の「S・カルマ氏の犯罪」が第25回芥川賞を受賞したとのこと。

『壁 第ー部 S・カルマ氏の犯罪』
ある日、自分の名前が想出す(原文ママ)ことができなくなった主人公に次々と起こる非現実的な出来事。よくわからなくて何度も読み返すうちに、こにシュールレアリスムの世界観がクセになってしまった。

『壁 第二部 バベルの塔の狸』
第一部とは全くつながりのない物語だった。貧しい詩人が、公園で狸に影を食われるところから非現実な物語が始まる。最後までわけがわからない展開だった。だが、わけがわからないからこそ、読むのをやめられない魅力があり面白かった。

『壁 第三部 赤い繭』
第一部や第二部よりも前に発表されたショートショートや短編などの4作品。どれもシュールだが、長くないため比較的読みやすかった。第三部のタイトルになっている「赤い繭」は、世にも奇妙な物語を彷彿とさせるようなショートショートでとても読みやすかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年3月9日
読了日 : 2024年3月9日
本棚登録日 : 2024年3月7日

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