マルコフ過程の手法で書かれた予測小説。堺屋太一は日本の元通産官僚で、本著はこうした未来予測に定評のある小説。どんな本なのか、読んでみたかった。ちなみに、マルコフ過程とは、マルコフ性をもつ確率過程のことをいう。 マルコフ性??マルコフ性とは、未来予測は現在の状態のみに依存し、それより過去の状態には依存しないという性質のこと。よく分からないが、何かしらの根拠に基づき、シミュレーションした物語。主に団塊の世代という年齢、時代を象徴する構成因子の就労事情について、だ。
自分には、団塊ジュニアとバブル世代の違いもよく分からないし、ゆとり世代とさとり世代だって何の事か分かっていない。しかし、肌感覚や世代間格差、更に具体的に言えば、就職や受験難易度、税率、介護人口、家族構成、社会民度によって、ある世代に傾向的に見られる特徴がある事はよく分かる。パワハラが存在していた世代と、パワハラを恐れる世代、パワハラを知らない世代では、上下関係の捉え方は異なる。
短編集というのは意外だったが、どれもリアルで面白い話。今読んでも新しい。
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- 感想投稿日 : 2023年9月1日
- 読了日 : 2023年9月1日
- 本棚登録日 : 2023年8月28日
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